序章「〜如何にして私は廃車同然のFZを愛するに至ったか〜」


平成9年6月のある日、家の近所をアクシスで走っていると、ふと昔の事を思い出した。そういえばこの近所にFZ750を置きっぱなしで乗って無さそうな家があったなぁ。あのFZ、どうしただろう?

そんなちょっとした気まぐれで、そのお宅の前を通りかかってみた。するとまだそのFZは駐車場(トタン屋根付き)の片隅に置いてある。リヤディスクが錆びているところを見ると、乗っていない様子。うーん、もったいない。最近人気が出てきているのに。そういえばFJ買う時も、FZの中古とどっちにしようか悩んだよなぁ。

そんな事考えたらもういけません。数日悩んだ挙げ句、そのお宅に伺いました。その時は息子さんしかいなくて、「6時頃なら持ち主がいる」と言われたのでその頃再訪すると今度は奥さんしかいなかった。奥さんにバイクの事を伝えて電話番号を教えていったのだが、いつになっても電話はない。待ちかねて菓子折を買って再訪したところ、また息子さんしかいなかったので菓子折だけ置いて帰る。

するとその晩奥さんから電話があり、「乗って下さい」との事。「お礼はどうしましょう?」と聞くと「車検を取ったりお金がかかるでしょうから気を使わないで下さい」との事。ラッキー!

一応いっぱしの社会人なので、流石に手ぶらで受け取りには行きづらいので缶ビールを1ケース持っていった。当然エンジンはかからないので押して自宅まで行った。タイヤのエアが抜けているのは予測して空気入れを持っていったのだが、チェーンの錆とブレーキの貼り付きがひどくて結構大変。わずか数百メートルの道のりが長く感じた。そして平成9年6月14日、国内仕様のFZ750がウチの家族に加わったのです。


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