ブレーキ編
ヤマハの中・大型車用ブレーキは、幾つかの系統に別れる。まずキャリパーは
88mmピッチと100mmピッチに大別出来る。88mmは殆どの対向2ポットキャリパー
(FZノーマルやRZ-RR以降のRZ系等)と中型車用異径4ポット(後方排気やV型TZR
等)、100mmは同径4ポット(初期TZR(1KT)や2LM/2GH等)と大型車用異径4ポット
(3GMや現行V-max等)、ヤマハ純正ブレンボにサンダーエースやYZF-R1のワンピース
キャリパー、YZF750や後期FZR1000の6ポットもこのピッチだ。だから基本的に同じピッチの
キャリパー同士ならボルトオンで着く事になる。初期XJR400やディバージョン等の
2ポットピンスライドキャリパーは88mmで4ポットキャリパーを着けられる。
勿論例外もあって、FZやRZVの様にベンチレーテッドディスクを採用している車種は
ディスクの厚みが有りすぎてキャリパーの流用が効かない事もある。やはり王道としては
フロントごとの交換であろう。ディスクやホイール単体での交換はキャリパーサポートの
制作が必要になったりして意外と効率が悪かったりする。
またYZF750や後期FZR1000の6ポットキャリパーを使っている車種のディスクはアウターの幅が
狭い6ポット専用品なので4ポットのキャリパーが使えない可能性がある(未確認)。
これはショップで聞きかじった事だが、FZR1000の倒立フォークにブレンボ等の
40mmピッチのキャリパーを着けるのにXJR等用の100mmピッチ用のサポートを
使おうと思ったら特異なステー形状の為切削加工が必要になったとの事。要注意である。
ヤマハでもOW-01だけは特別で、スズキ等と同じ90mmピッチである。
次にディスクである。良く用いられているのが1KTが使い始めた320mm、後方排気TZRや
FJ1200、XJR400等の298mm、初期FZR400(1WG)や倒立採用のTZRの282mm辺り
であろう。320mmディスクは初期の食いつきは良いがジャイロ効果が強く立ちが強く出る
傾向があるらしい。また同じ320mmでも1KTや2LMはアルミインナーだが2GHや3GMは
スチールインナーでありアウターディスクの厚みも違う様だ。インナーディスクを見ると
アルミインナーのものはリブが立っているのですぐに判る。恐らく輸出用はコスト削減の為
インナーをスチールにし、重量合わせの為にアウターの厚みを減らしているのであろう。
更に320mmのTZ用ディスクもあり、フローティングピンのクリアランスが広く
作られている。お陰で精密な面出しの必要が無いらしく、ホイールとの取付座面が
通常面取りしてあるのが、鋳造のザラザラした表面のままだ。
また"87 TZ250のディスクは「特殊鋳鉄製」らしい。
また最近になってPCDの広いディスクがサンダーエースやYZF-R1で見られる様になった。
ラージハブとでも言うのか、ホイールハブの中空部を広く取り、スポークを短く軽量に
仕上げられたホイールである。インナーディスクも薄く出来るので剛性面でも有利である。
実はヤマハは過去にも一時ラージハブをやっていて、V-maxやXJ750D、そしてお馴染み
FZ750の6本スポークもこの類である。最近は現行V-maxのディスクを使ったボルトオンキットも
FZ用として出ている様だ。外径は298mmである。
例外的にFJ1200ABS用の、更にPCDの広いディスクがある。これはホイールハブ部に
ABS用のセンサーを設置する関係でこの様なカタチになったのだが、こちらは他に採用例の無い
寸法で全くと言って良い程流用は利かない。